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ジュニア育成指導者研修会(けがの予防について)

「け が の 予 防 に つ い て」 

日時:11月12日(金)18:30~20:30  

会場:柏崎市総合体育館 会議室  

講師:JA新潟厚生連上越総合病院   理学療法士 高橋 利一 様

       

スポーツは健康には有益だが、障害(けが)の発生率も高い。またそのけがは、誤った姿勢(俗に言う悪い姿勢)で誤った動作(悪いフォームなど)を繰り返して行うことで発生することが多い。例えば投球動作。1回1回は大したことのない負担でも積み重なることで関節にかかる負担が大きくなり、使いすぎ症候群(オーバーユースシンドローム)となって発生することが多いと説明がありました。その後、成長を示す「スキャモンの発育発達曲線(一般型・神経型・リンパ型・生殖型)」から、ゴールデンエイジ(小学生高学年から中学生1年生ころまで)のけがの予防は重要であり、年齢の特性に合わせてトレーニング指導を行うことが大切だということを強調されました。

けがの予防の正しい姿勢を知るために、参加者全員が立って、耳垂⇒肩峰⇒腸骨稜中央⇒大転子⇒大腿骨外顆⇒外果2cm前方部分が、一直線になっているか確認しました。意外に、普段から頭部前方位で猫背となっていることが多いとわかりました。

その後、スポーツ障害を防ぐストレッチをいくつか実演してもらいました。基本原則は、胸郭と股関節は柔らかく、腹筋は締めることだと説明がありました。腰椎は5度程度しか回旋できない為、ジュニア期に多い腰痛の予防には、可動性を持つ胸椎・胸郭、股関節の柔軟性は重要であり、ストレッチ等で可動域を保つことが障害予防で重要であるとのことでした。ボールなどを背中と床の間におき、硬い筋肉や関節をリリースすることも効果的だと紹介されました。普段意識することの少ない広背筋(背中)のストレッチを多く行いました。参加者は、普段使っていない体を動かし、ストレッチだけなのにきつそうな方もいました。

肩甲骨の運動(背中の運動)で、『Y・W・T』の紹介がありました。Yは、腕を胸の前から挙振してY字のようにする。Wは、腕を胸前から横に開く。その際、背中は反るようにし、肩甲骨は斜め下に寄せる。Tは、腕を胸前に伸ばし、そのまま真横に開く。その際、背中は反るようにし、肩甲骨は中心に寄せる。これが、正しい方法だと説明がありましたが、参加者は自分の正しい姿勢がなかなかとれていませんでした。

そして昨年質問のあった腹圧について説明がされていました。体幹筋の収縮様式として息を吐いてお腹をへこませる「ドローイン」、息を吸ってお腹を膨らませる「ブレーシング」の紹介がありました。「ブレーシング」は、ローカル筋(深層筋)に加えグローバル筋(表層筋)を動員し、スポーツ動作時に強固な安定性を得ることができ、一方の「ドローイン」はローカル筋(深層筋)を使用し姿勢の維持に重要とのことで、その両者を習得することにより様々な競技局面で使い分けられることが重要であるとのことでした。

最後に、ドローインを含む体幹トレーニングやスクワットなどの正しい方法を実践しました。特にスクワットでは、踵の下に台を置き足趾に力を入れ重心を前方に促したり、股関節に指がはいるくらい曲げる(ヒンジスクワット)などのわかりやすい説明もありました。

終わりに、再度、姿勢が良い ⇒ 効率の良い動き ⇒ 障害予防 ⇒ パフォーマンスの向上に繋がることを強調されました。